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お尻から粘液が出る

粘液便(ネバネバした便)が出た

サラサラの下痢や硬い便ではなく、ネバネバした便が出たという経験はないでしょうか?こうした便は「粘液便」というものです。体調により粘液が多く出ることもあるので、数日であれば問題ないことがほとんどです。 しかし、粘液便が長く続く場合は、大腸に炎症を起こしていたり、腫瘍が存在する可能性もあります。症状が長引く場合はご相談ください。

粘液便について

ネバネバ・ベタベタした便のことを、粘液便と呼びます。便が多少緩くなっているのとは違って、便に粘液が付いている・便が粘液で覆われている状態のことを指します。 粘液は、腸粘膜から出るタンパク質の1つで、健康な方でも一定量は便に付いているものです。しかし、ゼリーのように肉眼で確認できるくらいの量であれば、何かしらの問題が起こっている恐れがあります。

粘液便が出た際に疑われる病気

前述の通り、体調によって多い場合もあるので、一過性の透明な粘液便であれば、大きな問題はありません。消化不良によってこのような粘液便になる場合があり、胃腸の状態が回復すれば元に戻ります。しかし、下記のように見慣れない色の粘液便であれば、要注意です。特に、炎症が生じていると粘液が過剰に分泌され、粘液便となりやすいです。

【ご注意ください!】血液が混ざった粘液便

潰瘍性大腸炎(中等度~重度)

大腸粘膜にびらんや潰瘍を形成する原因不明の疾患です。繰り返す粘血便、下痢、腹痛が起きます。病状の期間や状態により、貧血や体重減少・発熱も起こります。

クローン病

腸管壁の全層に炎症をきたす原因不明の疾患です。潰瘍性大腸炎と比べ出血の頻度は少ない傾向にあります。小腸や大腸が好発部位です。腹痛、下痢、体重減少、肛門病変(裂肛や痔瘻)などの症状が起きます。

アメーバ赤痢

赤痢アメーバという原虫が浅い潰瘍を作る感染症です。粘血便、下痢、腹痛などが起こります。盲腸と直腸が好発部位です。

大腸がん

大腸粘膜にできるがんで、原因は不明です。高たんぱく食や低繊維食、肥満、飲酒、運動不足が危険因子です。潰瘍性大腸炎に起因するものや遺伝因子が関与するものもあります。細い便が出る、血便、貧血などの症状が起こりますが、発症初期は自覚症状に乏しく、症状がないまま悪化することも少なくありません。

白い粘液便

ストレス、冷え、食あたり、消化不良など下痢の時に腸の粘膜が傷ついて起こることがあります。

透明な粘液便

1日で治る場合は、大きな問題はありません。 なお、透明の粘液便でも、長引く場合は疾患によって起こっている可能性があるのでご注意ください。

ピンク色の粘液便

肛門の出口付近の直腸粘膜が傷ついて起こることがあります。便秘の方など便が硬くなったりすると、少量の血液と粘液が混じって排出されます。

緑色の粘液便

緑色の粘液便の場合、腸の機能低下によって胆汁の再吸収が足りていない可能性が高いです。基本的に、腸に負担をかけない生活や食事に戻すことで、数日もすれば症状は改善しますので、大きな問題はありません。なお、腹痛や下痢も起こっている場合は、胃腸炎の原因となるブドウ球菌感染症の可能性があります。

粘液便(ネバネバした便)が不安な方は、
当院までお越しください

診察室赤・白・ピンク・緑などの色の粘液便が出る場合、もしくは粘液便がなかなか治らない場合は、なるべく早めに当院までご相談ください。 便の状態を見ることで、身体に異常が起こっていないか確認することができます。毎回は難しいと思いますが、排便の際はできるだけ便の状態をチェックしましょう。 特に、血液が混ざった粘液便が一度でも出てきたら、躊躇せず当院までお越しください。状態に合わせて大腸カメラ検査を実施して原因を特定し、原因に応じた適切な治療を実施します。

大腸カメラ検査