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肛門疾患の日帰り手術

王子こうもん胃腸クリニックの日帰り手術

日本大腸肛門病学会専門医・指導医の院長が患者様の症状に合った手術をご提案いたします。なるべく心身の負担を少なくできるように心がけていますので、痔の症状を放置せずにご相談ください。

痔核(いぼ痔)の手術

ジオン注射(ALTA療法)

内痔核に対して行う治療法です。内痔核に硬化剤を注射し、炎症を起こし出血や脱出を抑える治療です。出血や痛みの程度も少なく、侵襲の少ない方法ですが、切除する手術に比べ再発率は結紮切除術に比べ高いです。痛みを感じることは少なく翌日には元通りの日常生活を送れますが、違和感が数週間続くことがあります。

ジオン注射(ALTA療法)

結紮切除術

痔核そのものを切除して、原因となる根部の血管を処理します。従来より行っている方法で、安全性が確立されており再発が少なく、根治性の高い方法です。再発は2.5%以下と言われています。また痔瘻や裂肛などの随伴病変がある場合も同時に行うことができ、汎用性が高く最も標準的な治療です。ただ切るので術後の痛みはあります。

ゴム輪結紮療法

専用の器具を使い、痔核そのものを根元から特殊な輪ゴムで結紮し壊死させて取り除く方法です。壊死脱落した粘膜組織は、輪ゴムと一緒に1週間程度で便とともに排出されます。簡便に施行でき痛みもありませんが、根部の血管を処理しないため、数年でほぼ再発します。基礎疾患のある方、高齢者、一時的な治療が必要な方が適応となります。

痔核(いぼ痔)

裂肛(切れ痔)の手術

慢性裂肛や肛門ポリープがあるという場合は、手術療法による治療が行われますが、軽度の場合は肛門拡張術・側方内括約筋切開術、症状が重度であれば肛門狭窄形成術が行われます。どちらも日帰りでの手術が可能です。

用指肛門拡張術

肛門括約筋が過剰に緊張し、強い痛みが生じている場合に実施する処置です。状況に応じ麻酔をして、肛門括約筋の緊張を取り除くために、指や器具で肛門を広げて症状の緩和を図ります。

裂肛切除術、肛門ポリープ切除

創が瘢痕化し投薬では改善が見込めない場合に行います。もっともスタンダードな方法で固くなった組織をはぎ取るように切除し、治りやすい創を形成します。伸縮性の悪い括約筋があれば切開したり、肛門ポリープや皮垂があれば同時に違う術式を組み合わせて行うこともあります。

皮膚弁移動術(SSG)

括約筋が硬くなり指も入らないような高度な狭窄に対して行います。線維化・瘢痕化した部分を裂肛切除術で取り除き、失われた部分に周辺の皮膚を移植し伸縮性のいい状態にします。日帰りでも可能ですが、狭窄が高度な場合は腰椎麻酔を施行し括約筋を緩めながら行うほうが適切な場合もありますので入院を勧めることもあります。

肛門狭窄形成術

裂肛の慢性化が進み、肛門の狭窄が進んでいる際に肛門括約筋の一部を切開することで狭窄状態を部分的に解消し、裂肛によって発生した肛門潰瘍や肛門ポリープといった病変も切除していきます。なお、切開した肛門括約筋の部分には、すぐ近くにある皮膚を移動させて縫合していきます。

裂肛(切れ痔)

痔瘻(痔ろう)の手術

痔瘻(痔ろう)の場合、主に3つの日帰り手術療法があります。

瘻管切開開放術

従来より行われている標準的な治療です。瘻管を入り口から出口まで切開して開放する方法です。開放された創は新しい組織ができて閉鎖します。肛門内括約筋を少量切開しますが、少量であるため括約筋の機能にはほとんど問題ありません。もっとも再発が少ない方法です。瘻管にゴムを通して張力で徐々に切開していく、シートン法という方法もあります。

括約筋温存術(くりぬき法)

瘻管の入り口と出口をくり抜いて除去して、入り口を閉鎖する方法です。括約筋は完全に温存できますが再発が多いと言われています。再発すると従来の治療を行います。

シートン法

瘻管の入り口(原発口)と出口(二次口)にゴム糸を通して縛っていき、その締まりによって瘻管をだんだん切開していくという手術療法になります。ゴム糸については1~2週間程度の間隔を開けて縛り直しますが、その際に痛みや違和感が少しの間ですが続くようになります。時間をかけて切開していくので、完全に開放される状態になるまでには瘻管の深さや長さにもよりますが場合によっては数ヵ月かかることもあります。ただ肛門括約筋の損傷は切開開放術よりも少なく、再発するリスクは低いとも言われています。

痔瘻(痔ろう)