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大腸がん

大腸がんとは

大腸の粘膜から発生する悪性腫瘍でS状結腸や直腸に好発します。40代から増加し、50~70代の方に多く発症します。腺腫という良性のポリープから癌に移行するものが多く、他にも大腸粘膜自体から発生するもの・鋸歯状ポリープから発生するもの・炎症性腸疾患から発症するものがあります。2021年に行われた国内の統計調査によると、大腸がんはがん全体の中で発症者数が男性は第3位、女性は第2位となっており、男女合計では第1位になっております。欧米では消化器のがんで最も多く、日本でも食生活の欧米化に伴い増加傾向にあります。

大腸がんの初期症状

早期の大腸がんでは、あまり自覚症状がありません。進行すると、下痢、便秘、血便、腹痛、腹部膨満感、残便感などの症状が起こる場合もありますが、大きく進行するまで症状が起こらない事も少なくありません。早期の大腸がんを見つけるには大腸カメラ検査は非常に有用です。

進行したがんの大腸症状

大腸がんは進行すると、便通や便の異常をきたすことがありますが比較的大きくなるまで症状がおきない事も少なくありません。大腸は水分を吸収する働きを行っているので、できた場所により便秘や下痢、出血、腹痛や腹部の違和感を生じたりすることがあります。下記がよくある症状です。

  • 血便
  • 下痢・便秘の頻発
  • 残便感
  • 便柱狭小(便が細くなる)
  • 腹部膨満感
  • 貧血
  • 腹痛
  • 体重減少など

大腸がんの原因

大腸がんは、食生活などの生活習慣による影響が大きいとされています。食生活の欧米化に伴い低食物繊維の食事や高脂質・高タンパクな食事が危険因子となり増加傾向にあります。他にも、喫煙、お酒の飲み過ぎ、運動不足、肥満なども危険因子となります。また遺伝的要因(家族性大腸腺腫症やLynch症候群)、炎症性腸疾患(とくに潰瘍性大腸炎)もあります。

大腸がんの検査

便潜血検査

便潜血検査は、定期健診などでも実施されている、大腸がんのスクリーニング検査として代表的なもので、分析装置を使って便中に含まれる肉眼では確認できない微量な血液を確認し、異常を判別します。 便潜血検査は集団検診では優れた検査です。進行がんの90%、早期がんの50%が検出可能といわれています。陰性でも症状がある方は大腸カメラを受けられることをお勧めします。 また陽性の場合でも30%は大腸に病変を認めません(偽陽性) 陽性だと必ず大腸がんを発症しているということではありません。陽性となった方で実際に大腸がんが見つかるのは、全体の5%以下と言われています。 なお、大腸がんを発症していなくても、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患によって陽性と判定されることもありますし、精密検査を受けてたまたま大腸ポリープが見つかり、大腸がんの発症を防げる場合もあります。大腸カメラ検査を受けることで、ご自身の腸内の状態をチェックする良い機会として頂けますと幸いです。

大腸カメラ検査

大腸カメラ検査では、先端に照明レンズ、CCD、鉗子口、送気送水口のある細長いスコープを肛門から挿入し、盲腸まで約150cmの大腸をくまなく観察します。小さな病変や粘膜の色調変化まで詳細な観察が可能で、早期のがんやポリープ、炎症など大腸の粘膜にできた異常を確認できます。 従来からある注腸X線検査(バリウム検査)に比べ、内視鏡検査ではリアルタイムで粘膜面の観察が可能です。疑わしい病変があれば細胞の一部を採取して病理検査に提出して確定診断をつけたり、ポリープや早期のがんであれば検査と同時に切除することが可能です。

大腸カメラ検査

大腸ポリープと大腸がん

大腸粘膜自体からがんが生じる場合もありますが、大腸ポリープが成長していくことでがんに進行するケースが多数です。大腸ポリープは、腫瘍性のポリープと非腫瘍性のポリープに分けられます。この中で、腫瘍性の腺腫や鋸歯状病変(sessile serrated adenoma/polyp;SSA/P)はがんに進行するリスクがああります。非腫瘍性ポリープの過形成ポリープや炎症性ポリープなどは、がんに進行するリスクが少ないとされています。大腸カメラ検査で腫瘍性ポリープが見つかった場合、取り除くことで将来的ながんの発症を防ぐことに繋がります。当院でも、大腸カメラ検査で見つけたポリープは日帰り手術で取り除くことができます。

40代を超えた方は大腸カメラ検査の受診をお勧めします

受付 大腸がんは、早期発見することにより内視鏡にて低侵襲な治療が可能です。しかし、発症初期はあまり自覚症状がありません。大腸がんを早期に発見するには、大腸カメラ検査は非常に有用な検査です。40代を超えると徐々に大腸がんの発症リスクが上がり、50代以降で発症者数が増加してきます。40代からがん化リスクがある大腸ポリープの発症も増えてきます。異常を早期に発見するために40代以降の方は一度大腸カメラ検査をお受けになることを勧めます。その後は、異常があった方はもちろん、異常がなかった方も定期的な検査を勧めます。 当院は、日本消化器内視鏡学会専門医が苦痛に配慮した大腸カメラ検査を実施しておりますので、一度ご相談ください。

大腸カメラ検査