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お尻のできもの(ブツブツ)

肛門周辺に腫瘍(できもの)ができた

受付肛門やその周りにできものが生じた場合、いつ・どの診療科に相談すれば良いのか分からないという方も少なくないと思います。 また、誰かに見られることに羞恥心があって、なかなか病院に行けないという方もいらっしゃると存じます。 しかし、「耐えられないくらい痛くなったら病院を受診しよう」「痛みが生じていないからまだ病院に行かなくても大丈夫」と思われずに、なるべく早く受診しましょう。 感染症などの場合、放置しておくと、増殖していくことがあります。範囲が広がってくると切除する範囲が大きくなってしまいますので、お気を付けください。 肛門やその周りにできものや不快感がある場合は、肛門科を受診しましょう。

痔の他にも肛門の周りに生じる
できものはあります

痔の他に肛門の周りに生じるものとして感染症や腫瘍などがあります。 感染症でも細菌やウイルス、真菌などいろいろなものがあります。それぞれによって特徴的な所見が現れることも多いので、まず視診にて見当をつけ、随時必要な検査を行っていきます。通常はあまり痛みは伴いませんが、炎症を起こして滲出液を出すことによって痒みを生じたり、疼痛がみられることもあります。通常は何かしらの投薬や処置をしないと改善しません。放置すると増殖して範囲が広がったり、症状が悪化したりすることもあるので、早めの治療をお勧めします。 また頻度は少ないですが腫瘍もできることがあります。皮膚由来の腫瘍や非常にまれですが肛門管や痔瘻から発生するがんもあります。ほとんどは感染症のことが多いですが、気になるできものができましたらご相談ください。

肛門周囲に生じるできもので
疑われる疾患と対応

肛門湿疹

肛門の痒みがつづき受診されるという肛門科では比較的多い疾患です。生活習慣や糖尿病・肝疾患などの全身疾患から生じることもありますが、感染症から起こることもあります。多いのは真菌(カビ)や溶連菌の感染症で起きることが多いとされています。溶連菌感染の場合はとびひのような赤い皮疹(小さいぶつぶつ)ができることもあります。感染症の場合は抗生剤や抗真菌剤を使用します。

膿皮症

膿皮症は毛穴の出口が閉塞することによって発症します。そこにブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が感染し、ニキビのように赤く腫れあがることがあります。繰り返すうちにだんだん大きくなったり複雑化していったりします。初期であれば切開排膿したり、抗生剤で軽快するものもあります。分泌が盛んな若い男性に多いと言われています。

尖型コンジローマ

先のとがった米粒大の突起物ができます。初期は数個ですが、放置していると数が増えてきて一塊になり大きくなることもあります。ヒト乳頭腫ウイルスの感染で起きます。性行為が感染経路として多いですが、原因不明のこともあります。切除、抗ウイルス薬、液体窒素などの治療がありますが、放置すると増えていってしまうため、早めの治療をお勧めします。

梅毒(硬性下疳)

梅毒トレポネーマという細菌に感染すると第1期(感染から3週間から3ヶ月)に初期硬結という硬いしこりができることがあります。しこりに潰瘍を伴ったものを硬性下疳といいます。時間の経過とともに自然に消えてしまいますが、梅毒が治ったわけではないので治療が必要となります。口唇や性器にできることもあります。抗生剤にて治療します。

肛門部ページェット病

あまり聞きなれないと思いますが、希少がんといって稀な疾患です。アポクリン汗腺という汗をつくり出す細胞から発生すると言われています。痒みや湿疹、痛みを伴ったりします。肛門湿疹や真菌(カビ)の感染症と見分けが難しいため、薬を使ってもなかなか湿疹が治らない場合は慎重に観察する必要があります。疑われる場合は組織を採取して調べます。治療は手術です。

できもの・腫瘍の診断

肛門周囲のできものは皮膚炎であったり、腫瘍であったり様々な疾患があります。たいていのものは対症的な治療で軽快することも少なくありませんが、中には正確な診断を行い適切な治療をしないと進行していく疾患もあります。まず視診にて見当をつける必要があります。視診は見慣れていないと判断に苦慮することもあるため、肛門周囲の異常であれば肛門科受診をおすすめします。視診だけで診断がつくこともありますが、必要に応じ組織検査や細菌検査、大腸内視鏡検査などを行って診断をつけていきます。 肛門の周りのできものが現れるだけでなく、かゆみや痛みを伴う、できものが増えたり大きくなってくるなどお悩みの症状があれば、肛門科を受診しましょう。 肛門科では、専門医が肛門の周りの状態をチェックしてまず視診にていろいろな疾患の判別をしていきます。そして必要に応じ適切な検査を行い正確な診断を下します。原因疾患や症状に応じて、内科的治療や手術による切除など適切な治療を行います。肛門科の手術は日帰りで実施できることも多く、日常生活にご負担が少ない治療を進めることが可能です。

そのまま放っておかず、
なるべく早めにご相談ください

肛門やお尻に生じるできもの・腫瘍は、進行する可能性があるため放置せずに肛門科を受診し、正しい診断を受けることをお勧めします。 肛門の病気は、早期に治療することによって負担の少ない形で治療可能な事がほとんどです。当院では患者様のプライバシーを守って、患者様が落ち着いた状態で診察に臨める環境を整えております。お困りの症状があれば、一度ご相談ください。